2015年7月18日土曜日

原点のカメラワーク

【2018年1月16日更新】
クラシックバレエの先生から紹介していただいた初めての新体操演技発表会のゲネプロで、個人の選手が手具を投げているのを見てピーンときました。それは、ゴルフの球フォローのカメラワークで追えると。しかし、ゴルフは打つ瞬間が分かり球を追うだけですが、新体操は、何時投げるのか分かりづらい。(※リボンなどでこの動作をしたら次は投げるということが分かって来ました。)そして、手具と選手の両方を同じ画面内に入れることは直感的に理解できた。そんな中、ダンスの撮影から決めていたシャッタースピードを1/100にしていた為、クラブの回転が流れることなくピントが鮮明になり回転がよく映っていたことを確認した。ちなみに、難しいのはロープですね。暗い色の一色では、暗い壁が背景になった時消えてしまうのです。しかし、長年の感も手伝い、見事にフォロー出来ていたことを確認できた時は、本当に自分を褒めてやりました。そんなことから、下積時代に苦労して覚えた高度なカメラワークが新体操にも役に立っているとは夢にも思いませんでした。辛抱してきて良かったです。

 さて、テレビ番組のカメラマンは、やたらとアップを撮りたがる。舞台専門のカメラマンは、逆にアップを撮らない。私は、テレビ番組出身ですが、今は舞台専門のカメラマンです。なので、いいとこ取りのカメラマンですね。初めて舞台の撮影をしたころ、高齢のご婦人方の民踊を上半身サイズでパンニングしたところ、「こんなアップは要りません。」と言われた。これを経験したので、日本舞踊では、話にも聞いていたし、寄ってもルーズ全身サイズまでにして喜ばれた。そして、もっと喜ばれたのは、座って演技している時に、浮世絵画のようにタイトで撮ったことだ。そして、立ち上がる時は軽やかなズームアウトで映し撮ります。この原点のカメラワークも、何と新体操に生かされるカメラワークだったのです。

【カメラワークのリスク&セーフティ】
 動きのある被写体でアップを撮るということは、被写界深度が狭くなりボケやすくなる。そして、油断すると画面から出てしまいます。私がお世話になった大会の前のDVDを見せてもらったことがあるが、選手の演技が終わり立ち上がるたびに一瞬顔が切れて、急いで修正するカメラワークを何回も繰り返していた。テレビ中継のフィギュアスケートでも同じようなミスともいえるカメラワークを見かけます。当方は、そういうミスをしないよう、常に気をつけ、選手の演技と一体となり、顔が一瞬も切れないカメラワークで撮るよう心がけております。ちなみに、一瞬も切れないカメラワークとは、団体競技の5人が常に映っているカメラワークと同じであり、テレビスポーツ番組では、3人しか映さなかったり1人映っていない時があったりします。しかし、新体操選手権大会を撮影している者として言えることは、審査員も監督も選手も、足の先から指先まで見ており、もちろん5人の演技を常に見ており、手具の高さも見ている事を知っています。

【ある動画を検証】
◎団体競技
 新体操団体競技の演技中はフォーメーションと5人の選手の役割を映してあげるべきだと思う。だから、フロアーマットに入場する時こそ寄りを撮り、選手紹介を兼ねた上半身サイズでフォロー送りをするべきだと思う。演技開始はタイトで良いが、開始と同時にルーズにしなかった為に指先が画面からはみ出していた。細かな演技を見ている時にディゾルブをした為、動きが見えなかった。マットの近くに置いているカメラが、広がると端の選手を画面からはずしてしまっている。ローアングルの為、奥の選手が手前の選手に重なり、見えなくなってる時がある。寄り過ぎている為、端の選手がピボットになると足の先が画面から切れていた。近寄りすぎている為、カメラマンが端の選手を見失っている。ちなみに、引きと寄りのカメラの色合いが合っていない。下のカメラが何回も端の選手を画面から切らしてしまっている。リフト時は上空け構図にしなかったので、案の定、手が切れてしまった。1人離れた選手がいるのに、リフトに気をとられ映せていない。引きカメは5人映しているので、寄りカメの役割は寄りを撮る事であり、演技が終われば、選手の上半身サイズでパンニングしてあげるべきだと思う。

◎個人競技
 ただ、広い映像に切り替えているだけなので、手具が画面上にはみ出し本当の高さが殆ど映っていない。何でもそうですが、カメラが変わるとアングルも変わるので演技が飛んで見える。やはりワンカメショーが一番見やすい。演技終了後、必ず立ち上がるのに、一瞬顔が画面から切れて、追うように修正フォローしていた。動きを読んだカメラワークが出来ていない。

 以上、第三者から同じことを言われないよう、自分への教訓として書かせていただきました。

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